何が違うの?鮭、鱒、サーモンについて

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コロナの話ばかりでも何なんで、本日は秋冬の食材「鮭」について。冷蔵庫の「銀鮭の西京焼き」を処分していて思ったんですが、最近、鮭の呼び方がさまざまで、イマイチよく分かりません。いい機会なので、ちょっと整理してみたいと思います。

 

まず、そもそも「生物学的にみて鮭と鱒に大きな違いはない」ということ。海へ降りるものを「鮭」、一生を淡水で過ごすものを「鱒」と呼んだり、単純に大きさで区別したり、はたまた、回転すしでは養殖をサーモンと呼んだりと、実はみんな、明確な決まりがないまま、なんとなく呼んでいるケースがほとんどです。

 

もともと、日本では「鮭=シロザケ、または秋ザケ」で、それ以外は、春に川でとれる「鱒(サクラマス、またはヤマメ)」を含め2種類しかいませんでした。一方で海外(ヨーロッパ)の方が言う「サーモン」とは、大西洋でとれる「アトランティックサーモン」のことを指し、それ以外の似寄りの魚は「トラウト」と呼んでいたようです。

 

その後、漁業が世界規模になると、日本で鮭や鱒と呼ばれていた魚たちは、海外から「パシフィックサーモン(太平洋のサーモン)」と名付けられ、このあたりから、「サーモン」や「トラウト」の区別があいまいになります。例えば、海外の「レインボートラウト」は日本に入る際には、「ニジマス」と呼ばれ、逆に、日本での「鱒=川魚」という誤認識に大きな影響を与えたりもしています。

 

また、「サーモン」については、近年養殖も盛んです。日本で有名な、北欧の「ノルェーサーモン」は代表的な「アトランティックサーモン」ですが、一方で、回転ずしの見られる、生食できる輸入の養殖物、実はあれ「ニジマス」です(商品名は「トラウトサーモン」)。「輸入の養殖のもの=サーモン」と誤解している子供たちも多いと思いますので、種類、ブランド、入り乱れ、すでに誰も理解できない状態となっているようですね(笑)。

 

ということで、乱暴な結論に(笑)。

〇「鮭」=「シロザケ」=「秋鮭」=「高級」

〇「サーモン」=「昔はアトランティックサーモン」=「今は世界的にはサケ・マス全般を呼ぶ」

〇「鱒」=「昔はサクラマス(ヤマメが海に下ったもの)」=「その後、一時いろいろな魚でつけられたが、現在はサクラマスカラフトマスのこと」

〇「トラウト」=「昔はアトランティックサーモン以外全般」=「今はあまり使われない」=「でも養殖ニジマスがトラウトサーモンと呼ばれ回転ずしで大活躍」

〇「ノルェーサーモン=養殖アトランティックサーモンのブランド名」

〇「銀ザケ」=「チリの養殖サケのこと」

〇「紅サケ」=「ロシア、アラスカでとれる天然物のサケ」

〇「キングサーモン」=「ロシアでは天然、ニュージーランドのでは殖、最も大きいサケ」

 

ああ、ややこしかった(笑)。