益子陶器市 ~その1、濱田庄司参考館

 

本日は、定休日にひとり「益子秋の陶器市」へ。春は、家族で「笠間の陶器市(陶炎祭り)」にお邪魔しましたので、ちょうど1年ぶりの参加です。昨年は、まだまだ、おっかなびっくりの雰囲気でしたが、今年は天気も良く、会場には、心なしか、リラックスした雰囲気が漂っています。

 

さて、毎年お邪魔している益子陶器市ですが、不思議なもので、1日中かけて会場を回っても、実際に買うお店は結局同じ(笑)。今ではお店の場所も覚え、時間に余裕もできてきましたので、今日は少し回り道して、町のはずれの「濱田庄司記念 益子参考館」にお邪魔してみます。

 

濱田庄司」は、昭和に活躍した陶芸家。30代半ばに益子に移り住み、それまで、水がめや壺などの地味な日用品がメインだった益子焼に、「民藝」の概念を持ち込み、日本有数の陶芸の町に育て上げた第一人者です(ちなみに、第一回の人間国宝でもあります)。

ここ「濱田庄司記念益子参考館」は、そうした作家・濱田の数多くの作品を見ることができる博物館。建物や敷地は、保存された濱田の自宅と陶芸窯(工房)跡地ですので、いたるところで、大正・昭和の古民家の落ち着いた雰囲気を味わうことができ、多くの草花にあふれた庭も季節を感じさせてくれます。

また、濱田は、世界有数の民藝品のコレクターでもあり、沖縄を含む日本各地、韓国、中国、東南アジア、ヨーロッパから南米まで、幅広い工芸品を収集しました。

「参考館」も、そこから数々のインスピレーションを受けてきた彼が、今後の作家たちにも作品つくりの「参考」にしてほしい…との思いから命名され、館内のいたるところに、その収集品が展示されています。韓国の白磁の壺、メキシコの椅子、イランの織物。一見、雑然とした雰囲気が、古い家屋の静けさに包まれて、いつのまにか混在となり、気が付けば、時間を忘れて、見入っています。

 

失礼な言い方ですが(笑)、人も少なく、時間がゆったりと流れている、本当に贅沢な空間。紅葉のピークは、あと数週間後ですか。益子に行かれたら、是非是非、お勧めしたい場所ですね。ちなみに、「民藝」とは、「民主的工芸」の意味。濱田庄司について説明するには、当然、「民藝」について、しっかり語らなければならないのですが、そこまでいくとかなりの長文をなってしまうので、本日は、割愛します。後日、改めまして(笑)。