「処(ところ)」について調べてみた件

以前、台東区の居酒屋の「店名一覧」を見る機会があったのですが、最近は「酒処~」と名乗るお店って、意外と少ないようです。何か、ちょっぴり古臭い? 居酒屋以外でも、新規オープンのお店が、「甘味処~(かんみどころ)」とか、「お食事処~」といった店名でスタートすることも、正直あまりないような気がします。

 

そもそも「処(ところ)」って何?

「所」との違いはあるのでしょうか?

 

広辞苑で調べてみますと、「処(ところ)」は、「所(ところ)」と同じ見出しにて掲載されております。つまり、「処」と「所」には、本来意味の違いはないようです。

しかし、同じ意味、同じ読みの漢字が混在するのを避けるため、一方の「所(ところ)」が、常用漢字として、公の文書や新聞など、メジャーな場所で使われるようになり、「処(ところ)」につきましては、その後、「料理を食べるお店」という限られた場所を表す場合でのみで使われていくことになっていったようです。

 

「お食事処」(そば・うどん・かつ丼などの和食の食堂)。「甘味処」(あんみつや和菓子をだすお店)。そして「酒処」、お酒をだすお店ですね(笑)。

 

ということは、「酒処=酒を提供する場所」ですから、「居酒屋佗助」でも、本来、意味は変わらないことになりますね。

 

うーん、とはいえ、「甘味処」と「カフェ」では、イメージが異なるように、「酒処」という語感には、居酒屋チェーンではないぞ、とか、古きよき大衆酒場へのこだわりも感じます。

 

ちなみに「酒所(さかどころ)」と書くと、「よい酒が作られる産地(灘など)」となるそうです。なるほど(笑)。