日本酒と料理の相性について 〜基本編

ワインの世界には、マリアージュという言葉があります。本来は、「幸せな婚礼」というような意味合いですが、現在では、ワインと料理の相性を表す言葉として、すっかり有名になりました。

料理であれ、結婚であれ、「幸福な相性」とは、

その出会いにより、一方の長所が強調される
その出会いにより、一方の短所が消される
その出会いによる相乗効果により、全く新しい何かがうまれる…
というもの。いうなれば、足し算、引き算、掛け算のようなものですね。


基本的には、「さっぱりした料理には、さっぱりしたお酒」「甘い料理(旨い料理)には、甘い(旨い)酒」「渋みの効いた料理には、渋い酒」…のように、似たような味わいを合わせるのが、基本中の基本ですが、料理だけを食べたときには気付かなかった旨味が、日本酒のアミノ酸によって膨らんだり、肉料理の脂っこさが、日本酒のコハク酸によって洗い流されたり…と、その出会いの相性は、本当に無限なのかもしれません。



ちなみに、日本人が感じる五基本味〜甘・酸・塩・苦・旨味の中では、日本酒は塩気がほとんどありません。「日本酒を塩を舐めながら飲む」という昔の人は、ある意味、日本酒の足りない味わいを補うマリアージュのひとつの形なのかもしれません(もちろんお勧めはしませんが、笑)。

そんなことを踏まえながら、次回、秋田の銘酒「新政」での実践編へ(笑)。