日本酒テロワール ~その1

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「日本酒テロワール」という言葉をご存知ですか?

 

テロワール(Terroir)」とは、もともと「土地(土壌)」を意味するフランス語から派生したもので、ワインなどの品種における、生育地の特徴を指したものです。

 

大雑把に言えば、「特定の地域で作られるワインは、その土地の個性を表す」というもので、その場所の気象条件(日照時間、気温、降水量)や土壌が、そのまま葡萄の個性を作り、葡萄がそのままワインの出来栄えにつながる…という考え方です。「~産のワイン」など、産地を聞いて、味のイメージが出来上がるのは、そのためです。

 

一方で、同じくお米から作る醸造酒である「日本酒」においては、ワインなどに比べて、原材料「米」の原産地については、そこまで重要視されてきませんでした。それは、その後の製造過程がワインに比べてはるかに複雑なこと、また、その大部分を占める「水」や、香りの成分となる「酵母」などの影響が強いためで、「ブリュゴーニュ地方のワイン」といったような、ひとくくりの捉えかたはされません(もちろん「山田錦」や「雄町」など、お米の品種による、それぞれの個性はありますが)。 

 

続く。